日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウォルト・ディズニー・カンパニー
うぉるとでぃずにーかんぱにー
The Walt Disney Company
アメリカの映画会社。1923年にウォルト・ディズニーが設立したアニメーションの製作会社ディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオが原点。1928年に生み出したネズミのキャラクター、ミッキー・マウスが絶大な人気を獲得して、アメリカ映画産業内に確固たる地位を築いた。1930年代から1940年代にかけては、アニメーションのカラー化、長編化という新しい試みを実現かつ成功させていった。1940年代後半から、実写のドキュメンタリーや長編作品の製作も始め、1954年に自前の配給組織を設立。さらにテレビ番組の制作、ディズニーランドなどのテーマ・パークの経営にまで活動範囲を広げていった。創業者ウォルトの死後、1970年代は映画製作に関してはヒットを生み出せなかったが、1980年代なかば以降は、実写とアニメーションそれぞれで成功作が続出。1986年に現在の社名に改めた。1996年にはテレビ・ネットワークのABCをもつキャピタル・シティズ/ABCを、2006年にはピクサー・アニメーション・スタジオを、2009年にはマーヴェル・エンタテインメントを、さらに2012年にルーカスフィルムをそれぞれ買収し、総合娯楽会社として多方面での活動を展開している。他業種の会社からの買収を経験していない、稀(まれ)なアメリカの映画会社でもある。
[濱口幸一]