改訂新版 世界大百科事典 「ウカイル朝」の意味・わかりやすい解説 ウカイル朝 (ウカイルちょう)‘Uqayl イラクのモースルを中心にジャジーラ地方に勢威をふるったアラブ遊牧民の王朝。990-1096年。最盛期の勢力範囲は,シリア北部,イラク中部にまで及んだ。シーア派としてファーティマ朝に従い,西進を続けるスンナ派のセルジューク朝と対決したが敗れた。次いでザンギー朝のヌール・アッディーンにも敗れ,その勢力は各地に分散し,やがてセルジューク朝に吸収された。以後当地にトルコ人の支配が確立した。執筆者:花田 宇秋 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウカイル朝」の意味・わかりやすい解説 ウカイル朝ウカイルちょう`Uqayl ジャジーラ,イラク,北シリアを支配した半独立のイスラム王朝 (990頃~1096) 。首都はモスル。建国者はウカイル族のムハンマド (在位 990頃~1096) で,ハムダーン朝の衰退に乗じてモスルの実権を掌握した。初めブワイフ朝の宗主権下にありシーア派の教義を奉じていたが,のちに北シリアの防衛のためにセルジューク朝と条約を締結。その後これを破棄してエジプトのファーティマ朝と結んだために,1096年セルジューク朝の領土に併合されて独立を失った。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by