改訂新版 世界大百科事典 の解説
エコール・ノルマル・シュペリウール
École normale supérieure
フランスの高等師範学校。文部省所管のグランドゼコールで,パリのウルム通りにある高等師範のほかに,パリの女子高等師範,カシャンの技術教育高等師範,フォントネー・オー・ローズの高等師範,サン・クルーの高等師範の各校がある。学生は,各学区のバカロレアに合格したうえで,さらにカーニュ,イポカーニュ(文科系)あるいはトープ,イポトープ(理科系)とよばれる2年間の試験準備を経て,全国から集まる志願者を対象とした選抜試験によって選ばれ,文部省から毎月手当が支給される。全寮制をとり,通常,1年次に学士号,2年次に修士号を取得,3・4年次は研究に従事しつつ,アグレガシヨンやカペスなどの教員資格試験の準備にあたる。1794年創立のウルム通りの高等師範は名門中の名門として知られ,パスツール,ベルグソン,ジョレス,ロマン・ロラン,ペギー,メルロー・ポンティ,ポンピドゥーをはじめ多くの人材を輩出した。
執筆者:稲生 永
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報