エダアシクラゲ(読み)えだあしくらげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エダアシクラゲ」の意味・わかりやすい解説

エダアシクラゲ
えだあしくらげ / 枝足水母
[学] Cladonema radiatum

腔腸(こうちょう)動物門ヒドロ虫綱ヒドロイド目エダアシクラゲ科に属するクラゲ。クラゲとポリプの両型がある。クラゲ型は高さ3~4ミリメートルほどの釣鐘形で、9本の放射管をもち、各放射管の末端にそれぞれ触手がある。触手はその左右および腹面から3~4本ずつの小枝出しており、触手の基部には眼点がある。一方、ポリプ型浅海ホンダワラなどの海藻上に付着しており、その走根から1個ずつポリプが直立している。各ポリプは高さ1ミリメートルほどの細い円筒状で、上端の口を取り巻いて4本の有頭触手がみられる。このポリプのほぼ中央部にクラゲ芽が無性的に形成され、やがてそれは幼クラゲとなってポリプから離れる。クラゲはあまり活発には泳がず、海藻の上などに静止していることが多い。日本各地沿岸の浅海に普通にみられる。

[山田真弓]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エダアシクラゲ」の意味・わかりやすい解説

エダアシクラゲ
Cladonema pacificum

刺胞動物門ヒドロ虫綱アンソアテカータ目エダアシクラゲ科。傘の高さ 4mm,幅 3mmほどの小さな鐘状クラゲで,ゼラチン質は薄い。9本の細長い触手はそれぞれ褐色の短い枝を 10本ほど出し,腹面の枝で体を支えてホンダワラなどの海藻の上につく。各触手の基部には黒い眼点がある。4~7月,日本各地の海岸に見られる。(→刺胞動物ヒドロ虫類無脊椎動物

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