世界遺産詳解 の解説 エッセンのツォルフェラインたんこうぎょういさんぐん【エッセンのツォルフェライン炭鉱業遺産群】 2001年に登録された世界遺産(文化遺産)。エッセンはドイツ西部ノルトライン・ヴェストファーレン州の中核となる工業都市で、「ツォルフェライン」は1834年に結成されたドイツ関税同盟である。1847年、ルール地方の炭鉱群が「ツォルフェライン(関税同盟)炭鉱」として合併し、エッセンの地で石炭の採掘が始められた。1890年までにドイツ最大の産出量となり、第一次世界大戦頃にはさらに倍以上の生産能力に至った。1930年に建造された石炭採掘施設は当時世界最大であり、最新の技術が駆使されていた。1919年に設立されたバウハウス(世界遺産)の影響を受けており、優れた機能とともに美しさが追求され、建築物としての評価も高い。採炭が行われたのは1851年から1986年までで炭鉱は閉山している。コークス工場は1993年に閉鎖。その後、エッセン市などが炭鉱の全施設を保全して再利用している。「世界で最も美しい炭鉱」と評されるなど、産業技術史、建築史上でヨーロッパ屈指の貴重な遺産であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はZollverein Coal Mine Industrial Complex in Essen 出典 講談社世界遺産詳解について 情報