エピマー(英語表記)epimer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エピマー」の意味・わかりやすい解説

エピマー
epimer

エピ異性体ともいう。多くの不斉炭素原子をもつ化合物 (a) と,そのうちの1つの不斉中心だけが反転した構造の化合物 (b) とがあるとき,(a) と (b) とを互いにエピマーの関係にあるという。 (a) と (b) とは互いにジアステレオマーでもある。エピマー間には平衡状態が存在することがある。エピマーに変化することをエピ化という。糖類によくみられる現象で,糖化学で重要である。糖化学では狭義には2位の不斉炭素原子の反転の結果生じる異性体のみをエピマーといい,広義には他の不斉炭素原子の反転の場合を含めることもある。たとえば狭義にはD-グルコースのエピマーはD-マンノースであるが,広義にはD-ガラクトースも含む。エピマーへの変化はピリジンなどの塩基性試薬または酵素エピメラーゼによって起る。

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