エフモント(英語表記)Egmond, Lamoraal, Graaf van

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エフモント」の意味・わかりやすい解説

エフモント
Egmond, Lamoraal, Graaf van

[生]1522.11.18. エノー
[没]1568.6.5. ブリュッセル
オランダ独立運動の指導者,軍人伯爵エグモントとも呼ばれる。フランドルの大貴族で 1541年神聖ローマ皇帝カルル5世のアルジェ遠征に従軍して武勲をあげ,54年カルルの子フェリペとイングランド女王メアリーとの婚儀をまとめるために渡英して成功。スペインの対フランス戦争 (1557~59) にはフランドル軍を率いて参加し,サンカンタンおよびグラベリーヌの会戦で勝利を得,フランドル,アルトア両州の総督に任じられた。ネーデルラントに対するスペインの圧迫が強化されると,オランニェ公ウィレム1世 (沈黙公)およびホールネ伯らとともに反抗したが,67年ネーデルラント総督に任じられたアルバ公は,いわゆる「血の評議会」を設けて新教徒の反徒を大量に逮捕処刑し,このときエフモントも斬首された。のちゲーテは彼を題材に5幕の悲劇『エグモント』を,ベートーベンは『序曲』を含む 10曲の付随音楽を作曲した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android