エリグロアジサシ(その他表記)Sterna sumatrana; black-naped tern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリグロアジサシ」の意味・わかりやすい解説

エリグロアジサシ
Sterna sumatrana; black-naped tern

チドリ目カモメ科。全長約 30cm。成鳥は後頭部とそれに連なる過眼線,が黒いほかは,頭部や喉から腹,背,尾羽は白い。尾羽は長く,燕尾型に深く切れ込んでいる。背と上面は淡い灰色。脚は緑褐色。繁殖地は熱帯から亜熱帯の小島で,アフリカ東部からモルジブ諸島にかけてのインド洋西部と,インド洋東部からマレー半島インドネシアオーストラリア北部,オセアニア,さらに中国東部からタイワン(台湾)南西諸島にかけての沿岸から沖合いに分布する。卵は岩礁上や砂地のくぼみに産み落とす。繁殖後は渡りをしないが,営巣地から遠くまで移動するものもいる。魚食で,水中の獲物をめがけて空中から飛び込むか,水面近くにいる獲物を飛びながらくわえとる。日本では南西諸島で少数が繁殖している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリグロアジサシ」の意味・わかりやすい解説

エリグロアジサシ
えりぐろあじさし / 襟黒鰺刺
black-naped tern
[学] Sterna sumatrana

鳥綱チドリ目カモメ科の海鳥。全長約36センチメートル。全体に白っぽく、頸(くび)すじに顕著な黒帯がある。西太平洋ならびにインド洋の暖海域に分布する。島や沿岸で集団営巣し、南西諸島で夏に繁殖する。

[長谷川博]


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