フランスの女流詩人。セーブを中心とするいわゆる〈リヨン詩派〉の一員。乗馬や音楽をはじめ古典語やイタリア語に通じた彼女は,その天来の美貌と才気によってうたわれ,また逆に,おそらくは旧来の道徳と対立するその自由奔放な言動や,その作品の内容と実生活との混同から中傷非難の的ともなった。ただ1巻の《リヨンの女ルイーズ・ラベ作品集》(1555)は,3編のエレジー(悲歌)と24編のソネット(十四行詩)合計600行余と,散文対話体の《痴愚女神と愛の神との諍(いさか)い》とを含む。その詩風は類型的恋愛詩の伝統を脱し,一方ではセーブやロンサールの衒学臭・寓喩趣味にも堕さず,ひたすら愛に傷つき恋にもだえる女心を官能的に歌う。散文や悲歌で家庭と因習に埋没した同性たちに挑戦し,〈その精神を紡錘竿や糸巻よりもいささか高い所に〉置くよう勧めていることも忘れられない。なおリルケや堀辰雄が愛したこともよく知られている。
執筆者:二宮 敬
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フランスの女流詩人。リヨンに生まれる。モーリス・セーブを中心とする「リヨン詩派」の一員。乗馬、音楽をはじめ古典語やイタリア語にも通じ、その美貌(びぼう)と才気によって「綱具屋小町(つなぐやこまち)」La Belle Corderièreとうたわれたが、また自由奔放な言動や作品内容と実生活との混同からとかくの風評の的ともなった。1555年に出された『作品集』は、三編の悲歌(エレジー)、24編のソネ、散文作品『痴愚女神と愛の神の諍(いさか)い』を含む。その詩風は類型的な恋愛詩の伝統を脱し、恋にもだえる女心を官能的に歌う。
[髙橋由美子]
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…チェコとポーランドとの国境のリーゼン山地に源を発し,ドイツを貫流して北海に注ぐ。チェコではラベLabe川と呼ばれる。全長1165km,流域面積14万4055km2であるが,上流をエルベ川に流入するブルタバ(モルダウ)川とした場合の全長は1290km,流域面積15万8331km2になる。…
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