エレクテウス(英語表記)Erechtheus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレクテウス」の意味・わかりやすい解説

エレクテウス
Erechtheus

ギリシア神話に登場するアテネの伝説的王。大地から生れたエリクトニオス王の息子パンディオンの子とされるが,エリクトニオスとしばしば混同され,また彼の名にちなんでエレクテイオンと呼ばれたアクロポリスにおける最古神殿祭祀では,ポセイドンとも密接に結びつけられており,この3者はもとは同一であった可能性が強い。パンディオンの跡を継いでアテネの王になり,エレウシスと戦い,神託の教えに従い娘をいけにえに捧げてアテネに勝利をもたらしたが,その直後に,この戦闘で自分の息子であるトラキア王エウモルポスがエレウシス方に味方して戦死したのを怒ったポセイドンがゼウスに要請してエレクテウスを雷で打殺させたという。

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