翻訳|Gaia
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大地を人格化したギリシア神話の女神。ゲーGeともいう。ローマのテルスにあたる。またデメテル、ケレス、キベレのような大地女神ともしばしば同一視あるいは混同されている。ヘシオドスによれば、彼女はタルタロス、エロスとともに混沌(こんとん)の深淵(しんえん)カオスから生まれ、自らの子であるウラノスと結婚してティタン、キクロペス、ヘカトンケイルを生み、またわが子クロノスをそそのかして父ウラノスの陽物を切り取らせた。そして、その血を受けてエリニエス、ギガス、メリアスを生んだが、さらにわが子ポントスとも交わって、ネレウス、タウマス、フォルキス、ケト、エウリビアを生んだ。このほか多くの怪物が彼女から生まれたとされている。そのもっとも特徴的な権能は「誓言の証人」である。
[丹下和彦]
…世界の最初の支配者。ヘシオドスの《神統記》によれば,大地女神ガイアの子として生まれた彼は,ガイアとの間に12柱のティタン神その他の子をもうけたが,それらの子すべてを大地の奥底タルタロスに押し込めたため,ガイアから父神の非道に報復するよう説得された最年少のティタン神クロノスによって,大鎌で陽物を切り落とされ,天地の支配者の地位を追われたという。【水谷 智洋】。…
…肉親間の犯罪,とくに殺人をきびしく追及する。ヘシオドスの《神統記》によれば,天空神ウラノスの陽物をその子クロノスが切り落としたとき,滴り落ちた血で大地ガイアがみごもって生まれたという。彼女たちは,普通,有翼で,頭髪は蛇,手に松明(たいまつ)を持って罪人を追い,これを狂わしめると考えられ,その憂き目にあった人間として,いずれも母親を殺したアルクマイオン,オレステスが有名。…
…英語のgiantの語源で単数形はギガスGigas。天空神ウラノスがその子クロノスに陽物を切り落とされたとき,滴り落ちた血で大地ガイアがみごもって生まれた。彼らは岩や木の株を武器にしてゼウスの率いるオリュンポス神に戦いを挑んだが,ヘラクレスを味方につけた神々に滅ぼされ,各地の火山の下に埋められたという。…
…符節を合わせたこの物語は同時に相違点も際立たせる。ギリシア版の物語では終始女神ガイア(大地)が大きな役を演じ,天地開闢(かいびやく)の神話という性格をとどめているのに対し,男神だけで繰り広げられるヒッタイト版の物語は政治的宮廷革命劇にほかならない。ともあれギリシアは,とりわけ神話・宗教の領域で先進文化圏の甚大な影響を受けていたことはまちがいない。…
…父神的性格をもつ上天神(天父)に対する。ギリシア神話の大地女神ガイアは,原古にカオスに次ぎ最初に誕生し,自分が生んだ天空神ウラノスと結婚して,神々の祖となったとされる。ギリシア人は,最古の人類も大地から生まれたと信じていた。…
※「ガイア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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