エンジニアリングセラミックス

デジタル大辞泉 の解説

エンジニアリング‐セラミックス(engineering ceramics)

耐熱性耐食性、耐摩耗性に優れ、強度靭性が高いセラミックスエンジンガスタービンなどの機械部品や切削工具に用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア の解説

エンジニアリング・セラミックス

ファインセラミックスのうち,熱的・機械的特性があり,機械部品などに使用されるものの総称。熱的機能としては耐火構造性,断熱性,伝熱性が,機械的機能としては耐摩耗性や強度があり,さらに耐食性にも優れる。金属材料や有機高分子材料などにはない,過酷な環境に耐える機能を利用し,宇宙開発や海洋開発,核融合炉などの素材としての活用が期待されている。材料も,希少金属や有機高分子の原料となる石油に比べ,資源的に豊富なものが多く,ローコストで提供できる可能性も少なくない。日本では,通産省のプロジェクトとして,セラミックスが本来持つ脆性(ぜいせい)を克服するために炭化ケイ素窒化ケイ素などの非酸化物セラミックスを用いた,セラミック・エンジンの開発が進められている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

エンジニアリング・セラミックス
エンジニアリングセラミックス
engineering ceramics

エンジニアリング部門で利用されるセラミックス材料で,窒化ケイ素,炭化ケイ素等の非酸化物セラミックスが中心となる。陶磁器やガラスなど天然の無機物を原料とするセラミックスを第1世代,IC基盤や ICパッケージなどエレクトロニクスで使われるセラミックスを第2世代とすると,エンジニアリング・セラミックスは第3世代に位置づけられる。硬度と靭性が極めて高く,耐熱性,耐食性,耐摩耗性にもすぐれており,効率の高いガスタービン,自動車用エンジンなどの耐熱構造材料として研究開発が進められているが,競合材料である金属材料の進歩もあり,用途も比較的限定されている。

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知恵蔵 の解説

エンジニアリングセラミックス

耐熱性、耐食性、硬度などセラミックスの特徴を発揮させたエンジン、ガスタービン、機械部品等として、特に金属よりも高温度、高腐食性環境下で構造材料的に用いられるファインセラミックス。炭化ケイ素、窒化ケイ素、部分安定化ジルコニアなどが使用されている。

(徳田昌則 東北大学名誉教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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