ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オクセンシェルナ」の意味・わかりやすい解説
オクセンシェルナ
Oxenstjerna, Axel Gustafsson, Greve av
[没]1654.8.28. ストックホルム
スウェーデンの政治家。伯爵。ドイツに学ぶ。グスタフ2世の即位とともに宰相に就任 (1612) 。王に議会制専制政治の改正を強請し,国政改革案を実行させた。他方,前王から引継いだデンマーク,ロシアとの戦争を和議によって終結し,次いでポーランドへ侵入,グスタフ王の軍事的勝利を,外交によってバルト海東岸一帯をスウェーデン領として固めた (アルトマルクの休戦条約) 。グスタフ王がドイツへ侵入,第3次三十年戦争を始めると,オクセンシェルナは母国における責任者となり,王の死 (32) 後,若いクリスティナをかかえて内・外政の最高責任者となった。ドイツの新教同盟諸侯が皇帝と講和すると,オクセンシェルナは旧教国フランスの宰相リシュリューと結び,戦いを継続。デンマークに宣戦して屈服させ,さらにウェストファリアの講和 (48) において,西ポンメルン,ブレーメン大司教領などを含むバルト海沿岸地方を手に入れ,バルト帝国を成立させた。内政においては彼は王権の専制に対する貴族的反対者であり,グスタフ2世のもとで貴族制を整備し (26) ,1634年には身分制議会を制定した。
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