オサバフウロ(その他表記)Biophytum sensitivum(L.)DC.

改訂新版 世界大百科事典 「オサバフウロ」の意味・わかりやすい解説

オサバフウロ
Biophytum sensitivum(L.)DC.

高さ10~20cmほどのカタバミ科一年草。直立する茎の先に多くの葉が束生し,触れると急速に閉じて下垂する。葉は8~14対の多くの小葉からなる偶数羽状複葉。束生する葉のわきから6~10cmの花茎を伸ばし,数個の小さな花を散形につける。花は筒状で,放射相称に並ぶ黄色い5枚の離生花弁からなる。果実楕円形蒴果(さくか)。世界の熱帯に広く分布する雑草で,疎林下に生える。マレー半島では,民間薬として利用される。

 オジギソウ,マイハギと共に,接触刺激により葉が急速に運動する植物として知られる。刺激されると葉柄の上側と下側とで細胞内の水分量が変化し,細胞の膨圧の差によって運動が起こる。しかし刺激がどのように伝達され,それがどうして膨圧の変化を起こすかの機構はよくわかっていない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オサバフウロ」の意味・わかりやすい解説

オサバフウロ
おさばふうろ
[学] Biophytum sensitivum DC.

カタバミ科(APG分類:カタバミ科)の多年草で、熱帯アフリカ、熱帯アジアに自生する。高さ10~20センチメートルで分枝せず、茎頂部に20~25葉を傘状に広げる。葉は偶数羽状複葉で、くさび形ないし倒卵形の小葉を10~19対つける。オジギソウ(マメ科)ほどではないが刺激に敏感で、葉片に触れると、葉軸を中心にして下方(背軸側)に折れ曲がると同時に、葉軸も基部から下方へ折れ曲がり、反応はあまり速くはないが、動きは大きい。夏に黄色5弁の小花を開き、自然によく結実する。熟すと果実が裂けて、種子をはじき飛ばす。

[高林成年 2020年5月19日]

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