ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリガ」の意味・わかりやすい解説
オリガ
Ol'ga
[没]969. キエフ
ロシア,キエフのイーゴリ公 (リューリクの息子) の妻。下層農民の出といわれる。夫イーゴリがドレブリャーネ族に誅求を加えて恨まれ,945年殺害されたのち,幼少の息子スビャトスラフに代って摂政となる。ドレブリャーネ族に対する復讐として翌年その首都を焼打ちにし,住民を奴隷にしたほか,征服地域の諸部族に過酷な貢納を強要して抑圧を加えた。スラブ諸族の統一によって公の権力を著しく強化した結果,相続争いを許さず,息子が成人する 964年頃まで統治した。 955年 (一説では 957) ビザンチン帝国との交易関係を促進するためコンスタンチノープルを訪問した際,正教儀式に基づいて洗礼を受け,エレナと名のった。死後聖徒の列に加えられた。
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