オルト川(読み)オルトガワ(その他表記)Olt

デジタル大辞泉 「オルト川」の意味・読み・例文・類語

オルト‐がわ〔‐ガハ〕【オルト川】

Oltルーマニア南部の川。東カルパチア山脈を源として南下し、ブルガリアとの国境のトゥルヌマグレレ付近でドナウ川に合流する。全長約600キロ。

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改訂新版 世界大百科事典 「オルト川」の意味・わかりやすい解説

オルト[川]
Olt

ドナウ川の支流。ルーマニア領を流れる。全長699km,流域面積2万4300km2源流は東カルパチ山脈のハシュマシュ・マーレ山,標高1280m地点である。古代から知られた川で,古名はアルトゥス。東カルパチ山脈の山間盆地,チウク盆地を出て,トゥシュナド峡谷をつくり,ブラショブのあるブルセイ盆地に達する。ここで大きく曲流し,ラコシュ峡谷を通り,トランシルバニア台地南端のファガラシュ盆地へ出る。この盆地では,南カルパチ山脈から流出する河川を集め,流量豊かな川になる。トゥルヌ・ローシュで,南カルパチ山脈を構成するファガラシュ山群とロトル山群との間に全長約40kmのオルト峡谷をつくり,南カルパチ山脈を横断する。峡谷には人造湖が造られ,風光も明媚である。ルムニク・ブルチャを経てルーマニア平原に達した川は,トゥルヌ・マグレレの標高21m地点でドナウ川に合流する。合流点での流水量は毎秒165m3である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルト川」の意味・わかりやすい解説

オルト川
おるとがわ
Olt

ルーマニア南部の川で、ドナウ川の支流。ルーマニア中部、ブラショフ北方のカルパティア山脈中に源を発し、南流してのちトランシルバニア・アルプス北麓(ほくろく)沿いに西流し、ネゴイ山(2543メートル)西方でトランシルバニア・アルプスを横断して南下し、ワラキア平野を流れてツルヌ・ムグレレTurnu Mǎgurele付近で著しく蛇行しながらドナウ川に注ぐ。全長709キロメートル、流域面積2万5000平方キロメートル。ドナウ川沿岸は低平で、バルタBaltaとよばれる多数の湖沼が残る。

[三井嘉都夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルト川」の意味・わかりやすい解説

オルト川
オルトがわ
Olt

ルーマニアを流れるドナウ川左岸の支流。東カルパート山脈の西斜面に源を発し,南流してのち,トランシルバニア高原の南部を西流し,シビウの南方で南へ方向を変え,南カルパート山脈にオルト渓谷を刻みながら流下,ルーマニア平原へ出て,ドナウ川へ注ぐ。全長 736km。おもな支流はネグル,ブルサ,チビン,ロトル,オルテツ,トポログの諸川。オルト渓谷は両岸絶壁迫り,景勝地,避暑地が多く,古戦場や古い修道院などの歴史的遺跡も多い。かつては筏流しが行われていた。

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