オルト川(読み)おるとがわ(英語表記)Olt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルト川」の意味・わかりやすい解説

オルト川
おるとがわ
Olt

ルーマニア南部の川で、ドナウ川支流。ルーマニア中部、ブラショフ北方のカルパティア山脈中に源を発し、南流してのちトランシルバニアアルプス北麓(ほくろく)沿いに西流し、ネゴイ山(2543メートル)西方でトランシルバニア・アルプスを横断して南下し、ワラキア平野を流れてツルヌ・ムグレレTurnu Mǎgurele付近で著しく蛇行しながらドナウ川に注ぐ。全長709キロメートル、流域面積2万5000平方キロメートル。ドナウ川沿岸は低平で、バルタBaltaとよばれる多数の湖沼が残る。

[三井嘉都夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルト川」の意味・わかりやすい解説

オルト川
オルトがわ
Olt

ルーマニアを流れるドナウ川左岸の支流。東カルパート山脈の西斜面に源を発し,南流してのち,トランシルバニア高原の南部を西流し,シビウの南方で南へ方向を変え,南カルパート山脈にオルト渓谷を刻みながら流下,ルーマニア平原へ出て,ドナウ川へ注ぐ。全長 736km。おもな支流はネグル,ブルサ,チビン,ロトル,オルテツ,トポログの諸川。オルト渓谷は両岸絶壁迫り,景勝地,避暑地が多く,古戦場や古い修道院などの歴史的遺跡も多い。かつては筏流しが行われていた。

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