オルドバイ遺跡(読み)オルドバイいせき(英語表記)Olduvai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルドバイ遺跡」の意味・わかりやすい解説

オルドバイ遺跡
オルドバイいせき
Olduvai

東アフリカ,タンザニアの山峡地帯にある世界最古の旧石器文化遺跡オルドバイ峡谷には数多くの遺跡があり,ここでは 1930年代から L.リーキーらによって調査が続けられている。ここからは,礫器を主体とした世界最古の石器文化とされているオルドバイ文化,握斧系石器文化の前期にあたる前期アシュール文化,握斧系文化の発展したものである後期アシュール文化が層位を別にして発見されている。この遺跡は単に世界最古の石器文化層が発見されただけでなく,礫器文化から握斧文化への順序を追った発展がとらえられており,前期旧石器文化の発展はアフリカでなされたことが明らかにされている。さらに多くの獣骨もともに発見されており,これらの石器を残した人々の環境,生業などを明らかにする資料をも提供している。また,石器群と同一の層から,アウストラロピテクス類の猿人の化石骨も発見され,この猿人骨をめぐって,石器を残した人と考えるか,石器を残した人によって食料にされた猿人の骨と考えるか意見が分れている。世界最古,最重要の遺跡である。

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