1979年に登録、2010年に登録内容が変更されたタンザニアの世界遺産(複合遺産)。ンゴロンゴロは、同国北部のアルーシャ州に広がる世界有数のクレーター(火山活動によってできた凹地)。標高2300~2400m級の外輪山に囲まれた南北16km、東西19kmのクレーターの中央部には火口湖があり、その周囲は標高1800mほどの広大な草原となっている。この草原には、ライオン、クロサイのほか、多種多様な動物が生息しており、火口湖やその周辺の湖沼にはカバ、スイギュウ、フラミンゴが見られる。クレーターは周囲を外輪山で隔てられているが、ここに生息するシマウマ、ヌー、雄のゾウなどは内外を行き来する。また、人類の祖先とされるホモ・ハビリスの化石、360万年前に直立二足歩行していた原人の足跡の化石などが発見されており、2010年にこうした考古学的業績が評価され、複合遺産として再登録された。◇英名はNgorongoro Conservation Area