オーブリエチア(読み)おーぶりえちあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーブリエチア」の意味・わかりやすい解説

オーブリエチア
おーぶりえちあ
[学] Aubrieta

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の宿根草。地中海沿岸に12種の自生種がある。ムラサキナズナA. deltoidea DC.は南ヨーロッパの原産で、茎は高さ6~7センチメートルで地表をはって広がるので、ロック・ガーデンや花壇の縁どりに適する。葉は菱(ひし)状。4~5月に青色の十字花をよく開き、ほかに紫、藤(ふじ)、紅紫色種があり、八重咲きもある。湿気を好むが乾燥地にも強く、夏は暑さで蒸れないように注意し、日当りのよい所に植えるとよい。繁殖は普通は実生(みしょう)、挿芽、株分けによる。4月ごろ、露地床や鉢で、水はけのよい砂混じりの土に種を播(ま)くと2~3週間で発芽する。挿芽は春と秋の2回、新芽を2~3センチメートルくらいにとり、砂挿しにする。株分けは9月下旬~10月にするとよい。

[猪股正夫 2020年11月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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