改訂新版 世界大百科事典 「カギバガ」の意味・わかりやすい解説
カギバガ (鉤翅蛾)
hook-tip moth
鱗翅目カギバガ科Drepanidaeに属する昆虫の総称。南アメリカを除く全世界に分布するが,とくにアジアの熱帯から亜熱帯地方に種の数が多く。日本にはギンモンカギバ,ヤマトカギバ,クロスジカギバ,オビカギバ,ウコンカギバ,アシベニカギバなど30種を産する。成虫は中型の大きさで,前翅が鎌状にとがっている種が多いので,和名も英名も前翅の形にちなんでつけられたものである。幼虫は尾脚を欠き,腹脚は4対,尾端部に尾状突起をもつ。広葉樹の葉を食べるものばかりであるが,とくに害虫として注目されるような種はない。成虫はすべて夜行性で,よく灯火に飛来する。
執筆者:井上 寛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報