紡毛織物(読み)ボウモウオリモノ

デジタル大辞泉 「紡毛織物」の意味・読み・例文・類語

ぼうもう‐おりもの〔バウモウ‐〕【紡毛織物】

紡毛糸または紡毛糸主体の混紡糸を用いて織った毛織物総称ツイードフラノメルトンラシャなど。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「紡毛織物」の意味・読み・例文・類語

ぼうもう‐おりものバウモウ‥【紡毛織物】

  1. 〘 名詞 〙 紡毛糸を用いて織った織物。ラシャ・毛布ネルなどの類。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「紡毛織物」の意味・わかりやすい解説

紡毛織物【ぼうもうおりもの】

紡毛糸(5cm以下の短いもの)を用いて製織したのち,縮充起毛した毛織物。ウールンともいう。厚地のものが多く,毛羽が長く生地中に空気を多く含み防寒効果が大きい。フランネルメルトンベロアなどで,オーバーコート地,服地などに用いる。毛布も紡毛織物の一種である。
→関連項目毛織物フェルト

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「紡毛織物」の意味・わかりやすい解説

紡毛織物
ぼうもうおりもの
woollen fabric

比較的短い羊毛類を紡績した、けばの多い紡毛糸を使って織った毛織物の総称。もともと毛織物は1種類のみであったが、紳士用などの高級品にあてる梳毛(そもう)織物を分けることにより優劣の2種類の織物に分化することになった。それは不要になった毛をなんとか再利用することから始まった。そのため使用繊維は、まず原毛の段階で、梳毛織物と紡毛織物に使用するものとに選別するが、後者の短繊維を使用することとし、それを主体にして、その他の雑繊維を混紡することで補っている。そのため織物を構成する繊維は、互いに錯綜(さくそう)して種々の方向に配列しているので、外観は毛羽立ち、光沢も乏しいけれども、柔軟性をもち、縮絨(しゅくじゅう)性にも富んでいるので、縮絨、起毛を施して、織り立てたときの外観を変えるように仕上げる。梳毛織物よりも安価であるので、柄・色調に重点を置く婦人子供服地に使われ、スコッチ、ツイード、フラノ、メルトン、ベロア、羅紗(らしゃ)、毛布などがある。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紡毛織物」の意味・わかりやすい解説

紡毛織物
ぼうもうおりもの

ヒツジなどの短い毛で作った紡毛糸を用いる織物の総称。製造工程で,縮絨加工し,起毛して刈りそろえるので,毳 (けば) 立っており,表面に織り目の出ないものが多い。糸の種類,柄合せ,仕上げ方法などによって種類が多い。メルトンドスキンツイードホームスパンサクソニーフランネル,ビーバークロス,ベロア,チンチラ,ビクーニャ,毛布などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の紡毛織物の言及

【ウーステッド】より

…梳毛糸(そもうし)で織った毛織物。毛織物を大別すると,この梳毛織物と,紡毛糸で織った紡毛織物(ウールンwoollen)とにわけられる。梳毛は1インチ(2.54cm)以上の長い繊維で,長さ太さの均等な上質の羊毛を使用。…

※「紡毛織物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android