カーディガン(読み)かーでぃがん(英語表記)Cardigan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーディガン」の意味・わかりやすい解説

カーディガン
Cardigan

イギリスウェールズ西部,セレディジョン南西部の町。ウェールズ語では Aberteifi。カーディフ西北西約 125km,カーディガン湾に注ぐタイビ川の河口から約 5km上流の沿岸にある。12世紀建造のノルマン人の城を中心に形成された町で,タイビ川にかかるアーチ橋は 1136年にさかのぼるといわれ,1176年には城で最初のアイステズボド Eisteddfod(ウェールズの芸術祭)が開かれ,3万人もの人が参加したと伝えられる。1284年に最初の勅許状を得て市場町として発展。港は 19世紀まで小規模ながらアイルランドとの交易を行なう海港として繁栄した。近くに美しい海岸やタイビ川の谷があり,今日ではおもに観光・保養地として発展している。人口 4203(2001)。

カーディガン
cardigan

前開きでデザインの単純なボックス型のニットウエアジャケット。本来ボタンつき,襟なしで,襟まわりは丸形またはV字形で,前開きと襟まわりは続けて帯状にトリミングされる。通常長袖であるが,婦人子供服には半袖のものもある。語源は 19世紀後半,クリミア戦争でイギリスのカーディガン伯爵がこの型のジャケットを着たことによるという。着脱が容易で,着衣して楽であることなどが一般に好まれ,また,形が単純であることなどが既製服を生産しやすくし,20世紀の代表的な一つの衣服形態となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーディガン」の意味・わかりやすい解説

カーディガン(ジャケット)
かーでぃがん
cardigan

編み地を素材にした前あきのジャケット。ブラウスシャツの上に着ることが多い。着やすいため、老若男女の日常着として人気がある。名称は、イギリスの7代目カーディガン伯爵がクリミア戦争(1853~56)で負傷した際に、制服の上からこの形のジャケットを着たことに由来している。最近の編み地の発達により、カーディガンは日常着だけでなく、高級品にも進出し、また布や皮との組合せでつくられることも多い。

[浦上信子]



カーディガン(イギリス)
かーでぃがん
Cardigan

イギリス、ウェールズ南西部にある港町。人口4184(1981)。カーディガン湾に注ぐタイフィ川の河口に臨む。歴史は古く、1284年エドワード1世から市の特許を得た。古い建築物にひかれて訪れる観光客が多い。織物業と漁業が盛んである。

[久保田武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例