食の医学館 の解説
かぼすすだちゆずだいだい【カボス・スダチ・ユズ・ダイダイ】
《栄養と働き&調理のポイント》
レモンもそうですが、カボスやユズなどは酸味が強くて生食には適さず、果汁や果皮が調味料や薬味として利用されます。この仲間は香酸柑橘(こうさんかんきつ)と呼ばれています。
○栄養成分としての働き
香酸柑橘は、ほかの柑橘類と同様にビタミンCが豊富ですが、果実として食べるわけではないので、あまり効果は期待できません。しかし料理に用いると、さわやかな酸味と芳香で食欲を増進させてくれます。また味のアクセントとなるので減塩でき、高血圧の予防に役立ちます。
皮には芳香のもとである精油成分が含まれ血行をよくします。お風呂に入れると体があたたまり、肩こりや冷え症に効きます。冬至のユズ湯は、この効用を利用したものです。
果汁は調味料として、鍋ものや焼き魚、湯どうふなどに使われます。とくにスダチは東洋のレモンとも呼ばれ、マツタケ料理には欠かせません。薬味以外で皮を利用するのはユズとダイダイで、マーマレードや菓子のほか、味噌に練り込んだユズ味噌なども有名です。
使う際は、時間がたつと切り口が酸化してビタミンCが失われ、香り成分も逃げるので、食べる直前に切ります。
○漢方的な働き
ユズの輪切りをアルコールと氷砂糖でつけたユズ酒は薬酒で、疲労回復、貧血、低血圧に効くとされています。