薬酒(読み)クスリザケ

百科事典マイペディアの解説

薬酒【やくしゅ】

原料の一部に生薬(しょうやく)を加えて醸造するか,または蒸留酒醸造酒に生薬を浸してその成分を溶出させた酒。中国では古くから植物性の生薬や動物性の生薬を使った薬酒が数多く作られている。その代表格は五加皮酒(ウーカーピーチュウ)で,五加皮(ウコギの根の皮),陳皮(ミカンの皮),当帰など十数種の生薬の抽出成分を蒸留酒に加えていて,不老長生の薬とされている。ほかにトラの骨を浸した虎骨酒(フークーチュウ),トカゲを浸したコーチエチュウなどもある。朝鮮ではチョウセンニンジンを浸した人参酒が有名。日本にも漢方とともに薬酒が伝えられ,新年に屠蘇(とそ)を飲んだりする。またマムシ酒やハブ酒なども作られる。西洋でも古くからあり,現在ではリキュールとして知られているものも多い。
→関連項目中国酒

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世界大百科事典 第2版の解説

やくしゅ【薬酒】

生薬(しようやく)を原料の一部として醸造し,あるいは生薬を醸造酒または蒸留酒に浸して薬効成分を溶出させてつくった酒。 中国の漢代ごろの成立と考えられる《神農本草》に薬草を酒に浸すことが記されているとされる。6世紀の《斉民要術》では酒の醪(もろみ)に薬材を入れていっしょに発酵させる〈発酵薬酒〉と,酒のなかに薬材を入れて浸出させる〈浸薬酒〉という,後世中国薬酒の製法の定型が完成している。その後,薬方の発達とともに薬酒の種類も増え,《本草綱目》(1580)には屠蘇(とそ)酒を含め69種にのぼる薬酒が記載されている。

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大辞林 第三版の解説

くすりざけ【薬酒】

薬の入っている酒。薬になる酒。

やくしゅ【薬酒】

生薬などを加えた、薬用として飲用する酒。薬用酒。

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飲み物がわかる辞典の解説

やくしゅ【薬酒】


酒に生薬を浸漬するなどして、その薬効成分を浸出させたもの。五加皮酒(ごかひしゅ)、まむし酒、朝鮮人参酒など。◇「薬用酒」ともいう。

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世界大百科事典内の薬酒の言及

【中国酒】より

…ただ,在来の大麴白酒にくらべると,香味ともに単純化のうらみがある。
[分類,種類]
 中国酒の分類は文献によってさまざまであるが,ここでは黒竜江商学院ほか編著の1979年版《中国酒》にしたがって,白酒,黄酒,啤酒,ブドウ酒,果酒,配製酒・薬酒に分けて概観する。ちなみに,中国軽工業省は1953年,63年,79年の3回,全国評酒会議を開いて全国の酒を品評し,現在では〈全国名酒〉に18銘柄,それにつづく〈全国優質酒〉に47銘柄が認定されている。…

※「薬酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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