純度の高い蔗糖液から特別な方法で製造した砂糖。別名氷糖という。砂糖製品のなかで最も結晶の大きいもので,純度も最も高い。製法は,原料糖を高度に精製するか,あるいは高級のグラニュ糖あるいはざらめ糖を再溶解し,糖濃度70~72%の精製濃縮シロップを用いる。これを浅い容器に入れて,結晶のたねを加え,50~70℃に加温した密閉室内で2週間くらいかけてゆっくり結晶化させる。こうして巨大な結晶を得る。また,最近は,回転式の水平網状の円筒内に結晶のたねを入れ,ジャケット付きのクリスタライザーを用い,50℃前後に保温しながら,円筒を回転し,結晶の成長速度をはやめて短時間で結晶を成長させるものができた。結晶を分蜜機にかけて分蜜し,洗浄後に製品とする。この方法で作られた氷砂糖をクリスタル氷糖と呼ぶが,従来法の氷砂糖に比較して,結晶形,大きさなどがほぼ一定している特徴がある。氷砂糖の用途で最大のものは梅酒などの果実酒に加えるもので,純度が高いことおよび溶解速度が遅いことがこの用途に向いている。溶解が遅いために焼酎の浸透圧が急激に増加せず,ウメの成分の溶出を十分に行わせることができる。
執筆者:貝沼 圭二
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…武蔵国橘樹郡大師河原村名主で,1750年(寛延3)より多摩川河口の州を埋め立てて池上新田その他を開き,名主を兼務した。甘蔗の栽培と砂糖製法をくふう改良して,関東・甲駿・京坂地方にまでひろめ,61年(宝暦11)氷砂糖売買の特許を得た。その他製塩,絞油,養魚など各種の産業を興すことを試みた。…
… (7)角砂糖 グラニュ糖を四角に固めたもので,コーヒー,紅茶などに用いられる。(8)氷砂糖 純度99~99.5%の砂糖溶液から大型結晶を作らせたもので,キャンディとしてそのまま食べることもできるし,果実酒用にも広く使われる。(9)粉砂糖 白ざら糖やグラニュ糖などの純度の高い砂糖を細かくすりつぶしたもので,果物にかけたり,ケーキ,クッキーのアイシング,洋菓子のデコレーションに使う。…
※「氷砂糖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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