カルチエ(読み)かるちえ(その他表記)Jacques Cartier

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルチエ」の意味・わかりやすい解説

カルチエ
かるちえ
Jacques Cartier
(1491―1557)

フランスの航海者探検家。前半生は不明であるが、早くから航海に従事したともいう。1530年代から国王フランソア1世に用いられ、アジアに至る北西航路を開くため、また金鉱など資源をもつ陸地を発見するため、大西洋の航海を行った。34年、ニューファンドランド島周辺からセント・ローレンス湾に入り、35~36年、現在のケベック、モントリオールあたりに及んで、セント・ローレンス川探検し、この間、現地人とも接触した。41~42年、前回とだいたい同じ方面でさらに探検を続けた。これによって、本来の目的は達成されなかったが、フランスのカナダ経営の基礎がつくられた。航海記の著書がある。

[山上正太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カルチエ」の解説

カルチエ
Jacques Cartier

1491~1557

フランスの航海者,探検家。フランス国王フランソワ1世の命を受け,1534~42年の間に3度にわたってニューファンドランドセントローレンス川流域を調査した。34年の最初の航海でセントローレンス川河口近くのガスペ湾をフランス領と宣言翌年の第2次航海ではオシェラガ(現モントリオール)に達し,この地をカナダと命名した。彼の探検は,のちにフランス領カナダ植民地が成立する基盤となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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