ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルボナリ結社」の意味・わかりやすい解説 カルボナリ結社カルボナリけっしゃCarbonari 19世紀初期,イタリアとフランスに存在した政治的秘密結社。「炭焼き」という意味で,フランス語ではシャルボンヌリ Charbonnerieという。 1806年頃南イタリアで最初に結成された。フリーメーソンの組織形態を受継いで位階制の構造をもっており,通常は徒弟,親方,大親方の3位階に分れていた。位階ごとに異なった教義問答書があり,専制への批判と社会正義の要求を内容としていた。入社式あるいは下級位階から上級位階へ移る際の進級式には複雑な儀式が営まれ,結社員の間での秘密の維持が求められた。 15年のウィーン体制の成立以後,カルボナリには自由主義的なブルジョアジー,軍人,官吏が結集するようになり,専制政府に反対する立憲自由主義運動としての性格をもつようになった。 20年ナポリ革命を成功させて,カルボナリの革命政権を樹立したが,制定すべき憲法の内容をめぐって急進派と穏健派が対立,この間オーストリア軍の介入があって,21年に革命政権は崩壊した。しかし同じ 21年にフランスにシャルボンヌリが結成されたため,この結社は国際的広がりをもつことになり,ウィーン体制に反対するヨーロッパ自由主義運動の中心組織となった。 31年中部イタリアでカルボナリの手に成る革命が生じ,革命政権の樹立をみたが,これもオーストリア軍の介入により弾圧された。この革命の敗北でカルボナリの運動はほぼ終り,イタリアではこれに代って G.マッツィーニの「青年イタリア」が台頭してくることになる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by