ガンダ族(読み)ガンダぞく(英語表記)Ganda

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガンダ族」の意味・わかりやすい解説

ガンダ族
ガンダぞく
Ganda

ウガンダのビクトリア湖西・北部に居住する湖間バンツー語系諸族の一民族。人口 300万人以上で,国内最大。ガンダ地方は国内でも最も肥沃な土地であり,主としてバナナを栽培する農耕民であるが,綿花,コーヒーなどの換金作物も栽培し,家畜を飼養する。王国を形成し,人々は最高司祭でもある王を戴く中央集権国家に統合されていた。ガンダ王国はかつてウガンダ南西部からタンザニア北西部一円を支配したブニョロ=キタラ王国から分岐した小王国にすぎなかったが,17世紀に入りニョロ王国が衰退するとともに伸張し,18世紀に強大となる。近隣諸王国と異なり常備軍を備え,19世紀にはアラビア商人から入手した鉄砲兵力を強化した。政治組織は,世襲制を大幅に排し,王の任命による高度に組織化された官僚制度を発達させた。平民父系出自をたどるが,王子たちは母の氏族に属したので,王族は存在しなかった。植民地化後も,生活および教育水準は高く国内で優位を維持したが,1966年,王制は廃止となった。宗教的にはキリスト教が普及しているが,祖霊崇拝や呪術信仰も盛んである。

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