日本大百科全書(ニッポニカ) 「キボウホウグーズベリー」の意味・わかりやすい解説
キボウホウグーズベリー
きぼうほうぐーずべりー
Cape gooseberry
[学] Physalis peruviana L.
ナス科(APG分類:ナス科)の一年草ないし多年草。ブドウホオズキ、シマホオズキ、ケープグーズベリーともいう。草丈1メートル、葉は心臓形で軟毛を密生し、全縁ないし粗い波状の歯牙(しが)状縁を呈する。花は葉腋(ようえき)につき、鐘状で淡黄色、長さ1.5センチメートル。果実は液果で袋状の宿存萼(がく)内にあり、球形で径1.5センチメートル、黄色に熟す。種子が多く、多汁で、さわやかな香りに甘味と酸味が調和し、生食のほか、ジュース、ジャムに用いる。ペルー原産で、南アメリカ、南アフリカ、インド、東南アジアでよく栽培され、次のような近縁種が利用される。メキシコやグアテマラのトマテtomate/P. ixocarpa Brot.はトマティーヨ、ホオズキトマトといい、大果となり、果径が5センチメートルにも達し宿存萼を破る。主としてソース、油炒(いた)めなどの料理に用いる。同類のP. pubescens L.は北アメリカ原産でソースやプリザーブの原料ともする。またヨウシュホオズキP. alkekengi L.は薬用ともなる。
[飯塚宗夫 2021年6月21日]