キャントリル(読み)きゃんとりる(英語表記)Albert Hadley Cantril

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キャントリル」の意味・わかりやすい解説

キャントリル
きゃんとりる
Albert Hadley Cantril
(1906―1969)

アメリカ社会心理学者。ダートマス大学を卒業後、ミュンヘンベルリンおよびハーバードの諸大学で学ぶ。プリンストン大学教授などを歴任した。マス・コミュニケーション大衆運動政治国際世論など現実問題を実証的に研究した。『火星からの侵入』(1940)は、臨時ニュース風なラジオドラマが引き起こしたパニック(1938)を、その社会的・文化的背景と参加した人々の社会心理学的属性について調査した有名な著作である。ほかに、社会的判断の枠組みが崩れた状況で人々が意味を求めて参加する現代大衆運動を論じた『社会運動の心理学』(1941)や『絶望の政治』(1958)などがある。

[塩原 勉]

『南博他訳『社会運動の心理学』(1959・岩波書店)』『斎藤耕二・菊池章夫訳『火星からの侵入――パニックの社会心理学』(1971・川島書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャントリル」の意味・わかりやすい解説

キャントリル
Cantril, Albert Hadley

[生]1906.6.16. ユタ,ハイラム
[没]1969.5.28.
アメリカの社会心理学者。マス・コミュニケーション世論における大衆の受ける影響分析で有名。主著『ラジオの心理学』 The Psychology of Radio (1935,G.W.オルポートと共著) ,『社会運動の心理学』 The Psychology of Social Movements (41) など。

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