日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュウリュウチュウ」の意味・わかりやすい解説
キュウリュウチュウ
きゅうりゅうちゅう / 九竜虫
[学] Palembus dermestoides
昆虫綱甲虫目ゴミムシダマシ科に属する昆虫。キュウリュウゴミムシダマシともいう。東南アジア、中国南部などに分布する種で、日本には移入されたものと思われる。体長6ミリメートル内外。黒褐色で長楕円(ちょうだえん)形、体下面、触角、脚(あし)は赤褐色。幼虫は細長くて尾端は三角にとがり、淡黄褐色。成幼虫とも穀類、パン、乾いた果実や野菜、種子などを食べてよく繁殖し、好条件では卵から成虫まで1か月ぐらいである。強精剤として生きたまま飲むことが宣伝され、第二次世界大戦の前とその後各一度ずつ流行したが、効能の科学的裏づけが疑問であり、寄生虫の中間宿主となる可能性も指摘されたため、飼育が禁止された。
[中根猛彦]