キルシュ(その他表記)Kirsch[ドイツ]

精選版 日本国語大辞典 「キルシュ」の意味・読み・例文・類語

キルシュ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Kirsch ) サクランボから造る蒸留酒。多く、製菓用に使う。チェリーブランデー。桜桃酒。
    1. [初出の実例]「キルシュ〈略〉桜桃酒」(出典:万国新語大辞典(1935)〈英文大阪毎日学習号編輯局編〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「キルシュ」の意味・わかりやすい解説

キルシュ
Kirsch[ドイツ]

サクランボを原料として発酵,蒸留した酒で,キルシュワッサーKirschwasserともいう。ドイツのシュワルツワルトのサクランボを使ったものが有名であるが,ほかにスイス,フランス,ハンガリーデンマークなどでも造られている。完熟した実だけを,一部は核ごとつきくだいて発酵させ,ポットスチルで2回蒸留する。蒸留後は2~3年貯蔵するが,キルシュは変色しやすいので,ガラス,ホウロウなどの容器が使われ,木製樽は使わない。核の中から抽出されるベンズアルデヒドによる芳香をもつ無色の酒で,アルコール分45%程度。食後酒として用いられ,リキュールの基酒としての用途もひろい。また,スイス料理のチーズフォンデュには欠かせぬものであり,製菓用にも多用される。
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世界大百科事典(旧版)内のキルシュの言及

【蒸留酒】より

…後者によって得られるグレーンウィスキーは香味が軽く,これをモルトウィスキーと調合することによって,現在スコッチの主流となったブレンデッドウィスキーがつくられるようになった。単式蒸留機の蒸留酒は,アルコール以外の揮発成分を多く含み,原料由来の香りを有し,現在ではモルトウィスキー,コニャック,ヘビーラム,ミディアムラム,キルシュ,テキーラ,および泡盛を含む日本の本格焼酎などが,これで蒸留されている。連続式蒸留機の蒸留酒は,アルコールの純度が高まるほど原料の特徴が失われ,酒はソフト化する。…

※「キルシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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