ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギトン・ド・モルボー」の意味・わかりやすい解説
ギトン・ド・モルボー
Guyton de Morveau, Louis Bernard
[没]1816.1.2. パリ
フランスの化学者,政治家。ディジョンのゴドラン大学で法律を専攻。同地で弁護士を開業,最高法院の次席検事 (1762) 。以後,姓にド・モルボーを付けるが,革命後はギトンないしギトン・モルボーと名のった。 1791年国民議会の代表委員に選出され,パリに移る。革命政権およびナポレオン帝政下で,国防委員会議長 (93) ,造幣局長官 (99) など要職を歴任。 1805年レジオン・ドヌール勲章を受章し,11年男爵に叙せられた。ディジョン科学・芸術・文学アカデミー会員 (64) ,パリ科学アカデミー通信会員 (72) ,フランス学士院会員 (95) 。またパリのエコール・ポリテクニク創設に尽力,教授をつとめながら (94~1811) ,学長も2度つとめた。化学の命名体系の改革を提唱し,明確な単体概念を導入 (1782) 。 A.ラボアジエらと共同で『化学命名法』 Méthode de nomenclature chimique (87) を著わすとともに,『アナル・ド・シミー』誌 Annales de chimieを創刊 (89) ,新しい化学の体系化と普及に貢献。また硝石,ソーダ,火薬,ガラス製造など化学工業の発展に努めたほか,気球の研究,空気の浄化,鋼鉄の炭素含有率の研究にもすぐれた業績を上げた。
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