くちゃくちゃ

精選版 日本国語大辞典 「くちゃくちゃ」の意味・読み・例文・類語

くちゃ‐くちゃ

[1] 〘形動〙
① 紙、布などが、丸めたりもまれたりして、しわだらけになっているさま。物がもとの形態をとどめぬほどつぶれるさま。くしゃくしゃ。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「こんな唐縮緬(たうちりめん)のくちゃくちゃの帯をしてゐる」
② 転じて、物事が混乱してきちんとしていないさま。めちゃくちゃ。
※おみつさん(1907)〈鈴木三重吉〉一「好(え)え帯ぢゃのにくちゃくちゃに結んでおいでるの」
[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
粘り気のある物や柔らかい物が何度もつぶされて立てる音を表わす語。特に、口の中で柔らかい物をかむ音を表わす語。
浮世草子・好色美人角力(1696頃)五「ねばりあふたる内ももの、出いるうちにくちゃくちゃと、ゑしれぬひびきなりわたり」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六「口の内でくちゃくちゃ遣って居ますね」
② きちんとしてないさま、混乱しているさまを表わす語。
※福沢先生浮世談(1898)〈福沢諭吉〉「其主人がクチャクチャ芸者と戯れて居る様はない」
③ 気分が憂うつになるさま、すっきりしないさまを表わす語。くしゃくしゃ。
※兄の立場(1926)〈川崎長太郎〉一「又私の神経はクチャクチャした」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「くちゃくちゃ」の意味・読み・例文・類語

くちゃ‐くちゃ

[副]口の中で物をかむときの音を表す語。「ガムくちゃくちゃ(と)かむ」
[形動]
形がひどく崩れて、まとまりを失ったさま。また、紙や布などがしわだらけであるさま。「くちゃくちゃな髪」「くちゃくちゃになった紙幣
物事が混乱してきちんとしていないさま。
鉛筆で―に書いた手紙を」〈万太郎・花冷え〉
アクセントチャクチャ、はクチャクチャ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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