六訂版 家庭医学大全科 「クラミジア肺炎」の解説
クラミジア肺炎
クラミジアはいえん
Chlamydia pneumonia
(子どもの病気)
どんな病気か
クラミジアという細菌による肺炎で、トラコーマ・クラミジアによる肺炎と、肺炎クラミジアによる肺炎の2つがあります。オウム病と呼ばれる、オウムなどからの感染により肺炎を起こす病気もクラミジア(オウム病クラミジア)による肺炎ですが、ここでは割愛します。
原因は何か
クラミジアという細菌の感染によります。
症状の現れ方
①トラコーマ・クラミジアによる肺炎
赤ちゃんが、分娩時に産道を通る時に、すでにこの菌に感染している母親から感染します。したがって、ほとんどの例が生後3カ月以内の発症です。
多くは熱は出ず、呼吸障害が主な症状です。
合併症として、
②肺炎クラミジアによる肺炎
感染した人の痰やつばから感染します。潜伏期間は約2~4週間です。高熱を出すことは少なく、
検査と診断
いずれの肺炎も、前記の症状や年齢、そして胸部X線検査により診断します。その他、血液検査で抗体を調べる方法などがあります。
治療の方法
いずれの肺炎も、クラミジアに効果のあるマクロライド系の抗生剤を、10日~2週間内服します。
病気に気づいたらどうする
家庭でこれらの病気を疑うのは困難ですが、高熱はないのに咳が長い間続く時は、この病気にかかっている可能性があります。医療機関に相談してください。
大石 智洋
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報