六訂版 家庭医学大全科 「急性結膜炎」の解説
急性結膜炎
きゅうせいけつまくえん
Acute conjunctivitis
(眼の病気)
どんな病気か
急に眼球の結膜(白眼)が
原因は何か
非常に多くの原因が急性結膜炎を起こします。大きく分けて、感染性とアレルギー性のものがあります。感染性のものはウイルス性と細菌性に分かれます。
症状の現れ方
急に片眼または両眼に結膜の充血が起こり、眼脂が出ます。結膜の
眼脂のため、視力低下が起こることもあります。まぶたの裏(
検査と診断
非常に多くの原因があるので、それぞれ注意深く診断していく必要があります。とくに、感染性とアレルギー性の区別は重要です。アレルギー性は
検査として、眼脂のなかの細菌培養や、結膜からこすりとった細胞のサンプルや、眼脂構成成分の白血球の顕微鏡検査などを行い、原因を特定します(コラム・目やに)。また、血液検査で各種ウイルスの抗体価を調べたり、アレルギーの指標である抗体価(IgE)を調べたりします。最近涙液中のIgE量が簡便に検査できるようになりました。ただし、何に対するアレルギーか(抗原の種類)は特定できません。
治療の方法
細菌性では抗菌薬の点眼、重症例では全身投与をします。細菌により効果のある薬の種類が異なりますし、これまでは効果があった薬が効かなくなる場合(
ウイルス性では、残念ながらウイルスを直接死滅させる薬剤はないので、細菌による混合感染を防ぐために、抗生剤の点眼や、炎症を抑えるためのステロイド薬の点眼をします。
アレルギー性では、症状が強ければステロイド薬の点眼を、弱ければ非ステロイド性の抗アレルギー薬や消炎薬、消炎酵素薬の点眼を行います。ステロイド薬は効果に優れますが、反面、副作用(緑内障など)に注意が必要です。
病気に気づいたらどうする
森 秀夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報