日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルマバッタ」の意味・わかりやすい解説
クルマバッタ
くるまばった / 車蝗
[学] Gastrimargus marmoratus
昆虫綱直翅(ちょくし)目バッタ科に属する昆虫。トノサマバッタによく似た草原のバッタ。飛ぶとき、後翅の黒褐色帯が、その羽ばたきによって車が回るようにみえるので、この名がある。体長雄28ミリメートル内外、雌35ミリメートル内外。頭胸部と後ろ脚(あし)の腿節(たいせつ)、前翅の背面部にくる部分などは緑色、そのほかは褐色。また、全体褐色のこともある。頭部は立てた卵形。前胸背板の正中線は著しく隆起する。その後縁は後方に三角形に突き出る。淡褐色の前翅には黒褐色の大小の紋があり、臀域(でんいき)は緑色。後ろ脚の脛節(けいせつ)は橙赤(とうせき)色。成虫は夏から秋にかけて現れ、イネ科の草をよく食べ、また日中羽音をたててよく飛び回る。日本全土に分布し、また東洋の熱帯にも分布する。
[山崎柄根]