心理検査の一つ。ドイツの精神医学者クレペリンは,人間が単純な作業を継続した場合には,作業量と経過時間の間には一定の法則があることを認め,連続加算法による作業量と単位時間当りの変動に寄与する因子に考察を加え,1902年《作業曲線》という論文を発表した。日本では楢崎浅太郎らがこれを取り入れ,24年には内田勇三郎が30分法(15分施行,5分休憩,10分施行)を提唱し,初め精神障害者に,後に一般人について吟味し,性格類型と曲線の関係,精神障害との関係を追求し,適性検査として開発した(内田=クレペリン精神作業検査)。具体的には,横に数字が印刷されていて,その隣りあった数を順次加え,その和の1位の数字を次々に記入し,各行の作業量,動揺,休憩効果などから曲線を判定する。今日では,個人についての曲線の詳細な判定と,集団内での成績の良否の二つの観点からの判定などが工夫され,産業界における採用時の選抜テストとして用いられている。
執筆者:秋谷 たつ子
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…(2)他人評定法 ソシオメトリー,ゲスフー・テストなどがある。(3)作業検査法 一定の作業結果により人格を診断するもので,内田=クレペリン作業検査(クレペリン・テスト),ダウニー=桐原意志気質検査などがある。(4)実験心理学的方法 実験的手法を用いて,たとえば感情の生理的変化をみるもので,皮膚電気抵抗(PGR)により感情や緊張の程度を調べるもの。…
※「クレペリンテスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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