クレーデ点眼(読み)くれーでてんがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレーデ点眼」の意味・わかりやすい解説

クレーデ点眼
くれーでてんがん

新生児淋菌性(りんきんせい)膿漏眼(のうろうがん)の予防のため、分娩(ぶんべん)後に1%の硝酸銀液1滴を点眼する方法をいう。1880年ドイツの産婦人科医クレーデが考案し、この疾患による失明患児数を激減させたため、全世界に普及した。抗生物質出現後は、抗生物質点眼薬・眼軟膏(なんこう)が用いられた。臨床的には母体淋疾有無調べ、新生児眼症に対する慎重な観察を行えば、これを実施する必要はない。

[新井正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレーデ点眼」の意味・わかりやすい解説

クレーデ点眼
クレーデてんがん
Credé's method of antisepsis

新生児が淋菌などに感染するのを防ぐため,1~2%の硝酸銀溶液を点眼することで,1880年ドイツの外科医 B.クレーデ (1847~1929) が考案。分娩後 30分以内の点眼が法規で定められるようになった。このため膿漏眼や失明が減少した。現在では,硝酸銀溶液の代りに抗生物質が用いられている。

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