膿漏眼(読み)ノウロウガン

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精選版 日本国語大辞典 「膿漏眼」の意味・読み・例文・類語

のうろう‐がん【膿漏眼】

  1. 〘 名詞 〙 膿汁が多量に出る急性の結膜炎。病気が進むと角膜がくずれて穴があき、失明の危険がある。淋菌性のものが多い。
    1. [初出の実例]「この点眼は膿漏眼(ノウロウガン)を予防するに絶大な力がありますが」(出典:育児読本(1931)〈田村均〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「膿漏眼」の意味・わかりやすい解説

膿漏眼
のうろうがん

急性結膜炎で、とくに膿性分泌が多いものをいう。淋(りん)菌による結膜炎がその代表的なものである。眼瞼(がんけん)と結膜は赤くはれて、膿(のう)がぬぐったあとからすぐに湧(わ)くように出てくる。成人の淋菌性結膜炎は進行が早く、角膜も冒されて重篤となる。新生児が産道で母体の淋菌に感染すると、新生児膿漏眼となる。これを予防するため、出生直後に硝酸銀点眼する方法をクレーデ法という。淋菌性膿漏眼は病勢が激しく、かつては風眼(ふうがん)とよばれた。なお、新生児にはほかに、トラコーマ同種で異型のクラミジアでおこる封入体性膿漏眼がある。これも性器に感染していた病原体が産道で新生児の目に感染するためである。

内田幸男

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改訂新版 世界大百科事典 「膿漏眼」の意味・わかりやすい解説

膿漏眼 (のうろうがん)

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百科事典マイペディア 「膿漏眼」の意味・わかりやすい解説

膿漏眼【のうろうがん】

風眼

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世界大百科事典(旧版)内の膿漏眼の言及

【風眼】より

…母親が感染している新生児では,産道を通る際に感染し出生直後より強い症状を呈する。これを新生児膿漏眼というが,これを予防するために,出産直後に新生児の眼にクレーデ点眼を行う。大人では陰部からの直接感染による。…

※「膿漏眼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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