日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラウン」の意味・わかりやすい解説
グラウン(兄弟)
ぐらうん
兄ヨハン・ゴットリープJohann Gottlieb Graun(1702/03―71)、弟カール・ハインリヒCarl Heinrich Graun(1703/04―59) 兄のヨハン・ゴットリープは、18世紀中葉のドイツにおけるもっとも指導的なバイオリン奏者兼器楽作曲家。ワーレンブリュックに生まれ、ドレスデンで学んだのち、イタリアのパドバでタルティーニに師事。1732年以後、プロイセン王子(後のフリードリヒ大王)に仕え、71年10月28日、ベルリンで没した。
弟のカール・ハインリヒも、18世紀中葉のドイツにおけるオペラ、宗教音楽の代表者。ウァーレンブリュックに生まれる。ドレスデン、ブラウンシュワイクを経て1735年以来フリードリヒ大王に仕え、40年にはベルリンに宮廷オペラを設立し、官長となる。イタリア様式のオペラの代表者だが、『イエスの死』(1755作曲、1760ライプツィヒ出版)などの宗教音楽はさらに重要である。59年8月8日ベルリンで死去。
[樋口隆一]