日本大百科全書(ニッポニカ) 「タルティーニ」の意味・わかりやすい解説
タルティーニ
たるてぃーに
Giuseppe Tartini
(1692―1770)
18世紀イタリア最大のバイオリン奏者。伝説的な名人芸をうかがわせるバイオリン・ソナタ『悪魔のトリル』の作曲で広く知られている。4月8日ピラノ生まれ。聖職者となることを定められたが、パドバ大学で法律を学び、ひそかに結婚したため同地を逃れ、1710~14年アッシジ修道院に身を寄せ、バイオリン理論を確立。21年からパドバの聖アントニオ教会第二バイオリン奏者を務め、70年2月26日、同地で世を去った。作品は150曲の協奏曲、100曲のソナタがある。重音奏法を開発したほか、近代的運弓法を確立。ナルディーニ、プニャーニ、グラウン、マンフレディーニらの有名な弟子を育てた。
[樋口隆一]