知恵蔵 「グレイシー柔術」の解説 グレイシー柔術 講道館柔道の前田光世(1878〜1941)から、ブラジルで指導を受けたカルロス・グレイシーが1925年に創設した武術が発祥といわれる。カルロスの弟エリオが改良を重ね、現在はその息子のヒクソン、ホイスらが受け継いでいる。本来は打撃がないが、バーリ・トゥード(ポルトガル語で「何でもあり」)の他流試合に対応できる柔軟さがあり、UFCなど総合格闘技でのグレイシー一族の活躍を契機に、世界中に発展。「ブラジリアン柔術」の呼称が一般化している。柔道より寝技の比重が大きく、体重、帯、年齢、男女別に階級が細分化。「一本」は絞め技、関節技によるギブアップのみで、投げたり押さえ込んだりしても判定ポイントにしかならない。逆に寝技を切り返したり、相手に馬乗りになったり(マウントポジション)してもポイントになる。 (大野宏 朝日新聞記者 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報