ケルト教会(読み)ケルトきょうかい(英語表記)Celtic Church

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケルト教会」の意味・わかりやすい解説

ケルト教会
ケルトきょうかい
Celtic Church

ブリティシュ諸島ブルターニュに在住したケルト人を主体とする初期キリスト教会の総称。この地のキリスト教は,ローマ軍団や植民者とともに遅くとも 3世紀までに伝来,4世紀には教会会議へ代表を送るまでに成長。他の西方教会との関係も密で,教養,実践ともに正統的,カトリック的であった。司教区制をとらず修道院が教会生活の中心をなし,福音精神旺盛で,学問を重んじ,独特の芸術を生み出したことなどが特徴。5世紀半ばサクソン人(ザクセン人)の侵入により,教会制度は崩壊,信徒は南西部,ウェールズ,北ブリテン,アイルランドなどで孤立,ローマとの接触も絶たれた。597年カンタベリーのアウグスチヌスらがローマから再び福音を伝えたが,新来のキリスト教との間に障壁を生じ,2教会併立の観を呈し,ケルト教会は独自の発達をみた。663年または 664年のホイットビー宗教会議で両者は一致したが,ケルト的教会は 11世紀のノルマン人の征服(→ノルマン・コンクェスト)とノルマン王による教会改革まで残存した。

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