コウモリカズラ(読み)こうもりかずら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウモリカズラ」の意味・わかりやすい解説

コウモリカズラ
こうもりかずら / 蝙蝠葛
[学] Menispermum dauricum DC.

ツヅラフジ科(APG分類:ツヅラフジ科)の落葉藤本(とうほん)。雌雄異株。葉は互生、葉柄は盾状につく。葉身は腎(じん)円形、3~7浅裂する。5~6月、葉腋(ようえき)から出る小形の円錐(えんすい)花序に小さな淡黄色の花をつける。萼片(がくへん)は6枚、花弁は9~10枚。雄花には雄しべ20本、雌花には3~4枚の心皮がある。核果は黒く熟す。和名は、葉がコウモリの翼の形に似ているところからつけられた。中国では根および茎を民間薬として用いる。北海道、本州、四国、九州の山地に生育し、朝鮮半島、中国、シベリア東部にも分布する。コウモリカズラ属は3種あり、北アメリカに1種、メキシコに1種知られる。

[寺林 進 2019年9月17日]

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