日本大百科全書(ニッポニカ) 「コスタス」の意味・わかりやすい解説
コスタス
こすたす
[学] Costus
ショウガ科(APG分類:オオホザキアヤメ科)の多年草で、熱帯各地に150種分布する。扁平(へんぺい)球状の地下茎があり、葉は茎に螺旋(らせん)状につく。フクジンソウ(福神草)Cheilocostus speciosus (J.Koenig) C.D.Specht(C. speciosus Sm.)はインド東部原産で、夏に径8~10センチメートルの白色花をつける。オオホザキアヤメともいう。秋から冬は地上部が枯れ休眠する。水はけのよい庭に植える。ベニバナフクジンソウChamaecostus cuspidatus (Nees et Mart.) C.D.Specht et D.W.Stev.(C. igneus N.E.Br.)はブラジル原産の小形種で、植物園などで栽培される。花は径5~6センチメートルの橙黄(とうこう)色で美しいが、一日花である。夏に開花し、冬は地上部が枯れて休眠する。
また、マロルティアヌスCostus malortieanus H.Wendl.はコスタリカ原産で、高さ0.4~1メートル、温室観賞のほか、鉢植えにも向く。緑色の濃淡縞斑(しまふ)が入る長さ10~20センチメートルの楕円(だえん)形葉は、ビロード状の光沢があり、茎頂に固まってつき、観葉植物として楽しめ、人気がある。春に植え替え、株分けで殖やす。水やりを少なくして乾燥ぎみにし、8~10℃で越冬させるのがよい。
[高林成年 2019年6月18日]