コッパーベルト(英語表記)Copper Belt

翻訳|Copper Belt

改訂新版 世界大百科事典 「コッパーベルト」の意味・わかりやすい解説

コッパー・ベルト
Copper Belt

アフリカ南部のザンビアからコンゴ民主共和国にかけて連続する,長さ約500km,幅約80kmの世界有数の銅鉱床地帯。ここから生産される銅により,両国はアメリカ,ロシア,チリに次ぎ,カナダと並ぶ主要産銅国となっており,世界の陸上銅資源の12%を埋蔵していると推定されている。副産物として回収されるコバルトも重要で,両国で世界の70%近くのコバルトを生産している。鉱床は原生代後期の砂岩やケツ岩中の層状の鉱床で,銅品位はふつう3~5%,時に15%以上に達する。成因は,閉鎖的で還元的な環境をもつ海盆に供給された銅が,硫酸還元バクテリアの活動によって生じた硫化水素と結びついて沈殿した堆積性鉱床であるとされている。同様の成因をもつ鉱床には,中部ヨーロッパの含銅ケツ岩,ロシアのウドカン鉱床およびカザフスタンのジェスカズガン地方の鉱床などがあり,斑岩銅鉱床に次ぐ重要な銅鉱床のタイプである。
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銅はザンビアの重要な外貨獲得源であるが,その発見は,1902年ブラワヨ在住の鉱山技師W.コリアがこの地域での狩猟の際,ローンアンテロープレイヨウの1種)を撃ち,それが倒れた岩が銅で緑色をしていたことがきっかけとなった。産銅地帯の本格的開発は25年から始められ,南ア系のアングロ・アメリカン社(AAC)とアメリカ系のローン・セレクション社(RST)によって採掘された。しかしザンビア独立後の69年8月,政府はこれら銅鉱山の国有化をはかり,AAC,RST両社の保有株式の51%を接収し,国営の鉱業開発公社(MINDECO)の管理に移管した。具体的にはRSTに代わりローン・コンソリデーテッド鉱山会社(RCM)が,AACに代わってヌチャンガ・コンソリデーテッド銅鉱山会社(NCCM)が現在採掘にあたっている。ザンビアのコッパー・ベルトには,キトウェヌドラなどの都市があり,総人口は約120万(1979)で,国内で最も人口密度の高い地域である。埋蔵量は8億6000万tと推定され,産出量は月産平均6万tとなっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコッパーベルトの言及

【ザンビア】より

…しかも降水量の90%以上が,熱帯収束帯(ITC)が国土上を往復する11~4月の暖雨季に集中するのが特色である。【戸谷 洋】
[住民,社会]
 世界第2の銅産出国であり,いわゆるコッパー・ベルトを中心に都市化の進展が著しい。したがって,住民も近代化の波を受け,生活も変化しているが,伝統的な自給農耕の生活様式を残している人びとも多い。…

※「コッパーベルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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