銅鉱床(読み)どうこうしょう(その他表記)copper deposit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「銅鉱床」の意味・わかりやすい解説

銅鉱床
どうこうしょう
copper deposit

銅鉱石を産する鉱床。銅鉱床の主要な鉱床型は、正マグマ性鉱床(サドベリー型鉱床)、熱水鉱床スカルン型鉱床、斑岩(はんがん)銅鉱床、オリンピックダム型鉱床、火山性塊状硫化物鉱床)、堆積鉱床(たいせきこうしょう)(カッパーベルト型鉱床、マンスフェルト型鉱床)である。これらのうち斑岩銅鉱床がもっとも重要であり、銅の全生産量の50%を占める。斑岩銅鉱床は酸性から中性の半深成岩に伴う鉱染状~網状の鉱床で、比較的低品位であるが、1億トン以上の大型鉱床が多い。モリブデンを伴うことが多く、一部の鉱床は金を産する。チリ、アメリカ、インドネシア、カナダ、ペルー、オーストラリア、中国などに分布する。

 サドベリー型銅鉱床は塩基性マグマからの液相分離によって生成されたもので、ニッケルと白金属を伴い、カナダ、アメリカ、ロシア、南アフリカなどに分布する。スカルン型銅鉱床の大型なものは斑岩銅鉱床に伴うものが多いが、独立した鉱床が中国に産する。オーストラリアのオリンピックダム型銅鉱床は、花崗(かこう)岩の貫入に伴って形成された赤鉄鉱角礫(れき)岩中に銅・ウラニウム・金・銀・希土類元素を含む鉱石を産する巨大な鉱床で、同型の鉱床がアメリカにもみいだされている。火山性塊状硫化物銅鉱床は亜鉛を伴うものと鉛・亜鉛を伴うものに分けられ、前者はカナダ、アメリカ、ロシアなど、後者はカナダ、カザフスタンなどに分布する。カッパーベルト型銅鉱床は、原生代の地層中に銅・ニッケル・コバルト・ウラニウムを含む炭質頁岩(けつがん)層をなして産し、ザンビアと東シベリアに分布する。マンスフェルト型銅鉱床は、二畳紀の含銅・鉛・亜鉛の炭質頁岩層として産し、主要分布地域はポーランドである。

 銅を含む鉱物は、150種以上知られているが、おもな銅の鉱石鉱物黄銅鉱斑銅鉱輝銅鉱、銅藍(どうらん)、硫砒(りゅうひ)銅鉱、自然銅などである。2002年の世界の鉱山における銅の生産量(金属量)は1340万トンで、主要生産国はチリ445万トン、アメリカ113万トン、インドネシア110万トン、ペルー85万トン、オーストラリア85万トン、ロシア68万トン、カナダ62万5000トンとなっている。また、銅埋蔵量(金属量)は全世界4億8000万トン、チリ1億6000万トン、アメリカ3500万トン、ペルー3500万トン、ポーランド3100万トン、インドネシア2800万トン、中国2600万トンである。

[鞠子 正]

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最新 地学事典 「銅鉱床」の解説

どうこうしょう
銅鉱床

copper deposit

熱水鉱床・マグマ鉱床・堆積層内鉱床など多様な産状を示す。鉱石鉱物も多種にわたるが,主要な初生鉱物は黄銅鉱で,他に斑銅鉱・輝銅鉱・コベリン・安四面銅鉱・硫砒銅鉱など。酸化帯では孔雀石・珪孔雀石・自然銅・赤銅鉱・らん銅鉱・ブロシャン銅鉱など。熱水鉱床は,1)斑岩銅鉱床:斑状貫入岩体中およびその周辺に鉱染する低品位大規模鉱床。Cu資源として最重要。環太平洋造山帯に例が多い。2)火山性塊状硫化物鉱床:世界各地のさまざまな時代の苦鉄質~珪長質火山岩類に伴うCu・Zn・Pbの鉱床。カナダのNoranda地域,別子鉱山・小坂鉱山など。3)鉱脈鉱床:黄銅鉱-石英脈やSn・W・Zn・Pbなどを伴う多金属鉱脈などで足尾鉱山など。4)スカルン鉱床:釜石・八茎鉱山など。マグマ鉱床は,5)サドベリー型鉱床:苦鉄質マグマから不混和現象によって分離した硫化物溶融体が濃集・固結したもの。稼行目的のNiと同量程度のCuを産する。Sudbury鉱床など。堆積層内鉱床は,6)カッパーベルト型鉱床:ザンビア・カッパーベルトの高品位層状鉱床が典型。Coが重要副産物。銅資源としては1)に次いで重要。7)含銅頁岩型鉱床:北欧に広く薄く分布する古生代の含銅頁岩層(Kupferschiefer)が代表。一般に低品位。8)コロコロ型鉱床:赤色砂岩中の鉱染鉱でボリビアのCorocoro鉱床など。規模は小さい。9)自然銅鉱床:米国スペリオル湖のKeweenaw半島にみられ,礫岩のセメント部や玄武岩溶岩の気泡中に自然銅を含む。かつての米国の重要な銅資源の一つ。

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百科事典マイペディア 「銅鉱床」の意味・わかりやすい解説

銅鉱床【どうこうしょう】

銅鉱を産する鉱床。銅の硫化鉱物,酸化鉱物,炭酸塩鉱物などが濃集していて,鉱石は普通1%以上の銅分を含有する。日本では銅鉱脈,キースラーガー,黒鉱鉱床が主要な銅鉱床。世界的には米国西部,チリなどにある銅の鉱染鉱床(斑岩銅鉱床),コンゴ民主共和国,ザンビアなどに分布する大規模な層状銅鉱床が重要である。

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