改訂新版 世界大百科事典 「コリマ川」の意味・わかりやすい解説
コリマ[川]
Kolyma
ロシア連邦,シベリア北東部を北流して北極海に注ぐ大河。マガダン州とサハ共和国にまたがる。長さ2129km,流域面積64万3000km2。コリマ山地南西部の分水界から北に発源し(クル川と呼ぶ),アヤン・ユリャフ川と合流してコリマ川本流となり,深い河谷をつくって北流,さらに北シベリア低地に出ると激しい曲流を繰り返して北極海の東シベリア海に注ぐ。河口から641km南にあるスレドネコリムスク市における流量は,年間平均2250m3/s,最小は4月の23.5m3/s,最大は7月の2万5100m3/s。5月中旬から9月まで高水期が続き,10月中旬から翌年5月まで結氷する。船が利用できるのは4ヵ月に満たない。定期航路は河口と約1500km上流のウスチ・スレドネカンとの間に設けられている。下流部流域はツンドラ帯で,中流部に石炭,砂金などの埋蔵が知られる。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報