翻訳|kouprey
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。別名ハイイロヤギュウ(灰色野牛)。本種の発見は1937年で、カンボジアおよびラオスの森林に生息する。体格は同じウシ科のガウルとバンテンの中間ほどで、肩高1.7~1.9メートル、雌はやや小形である。角(つの)は雌雄ともにあり、後方に曲がり、さらに外上方に傾斜する。特徴的なのはその先端で、端から13センチメートルほどの部分は表面がささくれのようにはげ、内部の黒色部が露出する。体色は黒褐色で毛は短い。前後肢の下部は白色、前肢の前下方に暗色帯がある。1940年にパリ動物園で飼育されたのが唯一の例で、習性なども不明な点が多い。数も少なく、国際的な保護が要請されている。
[中川志郎]